旧法借地権とはいったい何でしょう?契約の更新についても紹介します

不動産の広告などで、旧法借地権という言葉を見たことはありませんか。いったい何のことを言っているのか、疑問に思いませんでしたでしょうか。旧法ということは新法があるのか、その辺りについても触れながら旧法借地権について、紹介したいと思います。

広告などの旧法借地権の記述には、賃料とともに契約期限が明記されていたりします。そこでもまた、疑問が湧きます。その契約期限が満了した場合、借りることはできないのでしょうか。契約はそこで終了してしまうのか、更新することが可能なのか。この疑問についても、答えを紹介したいと思います。

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普段ほとんど意識しない言葉ではありますが、物件探しなどで不動産の広告を見た際には気になることでしょう。「旧法借地権」は、いったいどのような権利となるのでしょうか。不明な言葉などは確認しておくことをおすすめします。いざ契約した後に、思っていたことと違ったと後悔しないためにも、ぜひチェックしてみてください。

1. 旧法借地権の概要

1-1. 借地権とは?

旧法借地権の前に、借地権とはどのような権利なのでしょうか。借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権のことです。

地上権とは、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利のことです。地上権は、直接、土地に対して権利を持つものとされ、地主の承諾なく譲渡、転貸ができるとされています。

賃借権とは、ある物を賃料を支払って使用収益できる権利のことです。賃借権の譲渡・転貸、建替え等については地主の承諾が原則必要となります。

1-2. 旧法借地権とは?

旧法借地権とは、旧法における借地権を指します。旧法とは、「借地法」のことです。

旧法ということは、新法が存在しています。それは、「借地借家法」のことです。借地借家法は、令和4(1992)年8月1日に施行されました。借地借家法の施行により、借地法は廃止されました。ただ、経過措置により、借地法が適用される場合があります。それは、下記の通り契約日により異なります。

平成4年7月31日以前の契約は、借地法が適用されます。
平成4年8月1日以後の契約は、借地借家法が適用されます。

1-3. 新法借地権との違い

新法借地権とは、「借地借家法」における借地権を指します。借地借家法における、借地権は下記の種類が存在しています。

借地借家法の借地権

  • 普通借地権
    存続期間:30年以上(期間の定めがない場合:30年)
  • 一般定期借地権
    存続期間:50年以上
  • 事業用定期借地権
    存続期間:10年以上50年未満
  • 建物譲渡特約付借地権
    存続期間:30年以上

普通借地権とそれ以外の定期借地権との違いのポイントは、契約更新の有無です。普通借地権は、地主の正当事由による更新の異議がない限り、契約が更新されます。一方、他の定期借地権は、契約の更新がなく、契約期間の満了によって契約が終了します。

旧法借地権の場合は、建物の構造により存続期間が異なります。堅固な建物は、30年以上(期間の定めがない場合:60年)となります。非堅固の建物は、20年以上(期間の定めがない場合:30年)となります。このように、新法借地権とは存続期間が異なってきます。

2. 旧法借地権の更新

2-1. 旧法借地権の更新の種類

地主側に正当な理由がある場合などを除いて、基本的に旧法借地権は更新できます。そして、旧法借地権の更新には、次の種類があります。

旧法借地権の更新方法

  • 契約当事者の合意による更新
  • 借地人からの請求による更新
  • 法定更新

契約当事者の合意はもちろん、借地人からの請求によっても契約が更新されます。また、借地上に建物があり、借地人がこれを使用している場合や、建物がなくとも地主が異議を申し立てなければ法定更新により契約が更新されます。

2-2. 旧法借地権の更新料

更新料については、法律に規定がありません。では、どのような場合に払うことになるのでしょうか。下記のような場合に、更新料を支払うことになります。

更新料を支払うケース

  • 契約書に更新料の支払いについての記載がある場合
  • 契約当事者の合意がある場合
  • 過去に支払ったことがあるなどの慣習がある場合

地域により相場は異なりますが、一般的に借地権価格の3~10%ぐらいとなっております。

3. まとめ

旧法借地権について、概要を紹介しました。旧法借地権は、契約の更新を行えば、半永久的に契約が継続されます。旧法借地権は、借主の保護に重点が置かれているため、地主側に正当な理由がなければ、更新を拒絶することは難しいです。

借地権について、賃料がかかってくるということは意識されるのではないかと思います。一方、契約の更新についてはいかがでしょうか。契約更新の際には、更新料がかかることがありますので、そちらについても意識する必要があります。事前に契約内容をしっかりと確認しておくことが重要です。

4. Q&A

旧法借地権とは、何ですか?

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「旧法(借地法)」における借地権のことです。それに対する新法借地権とは、「借地借家法」における借地権となります。

旧法借地権は、更新できますか?

てんびん不動産

旧法借地権は、借り手の保護が重視された権利であり、地主側に正当な理由がない限り更新ができます。