取引態様とは何か?不動産取引にどのような影響を及ぼすのか?

「取引態様」という言葉をご存じでしょうか。不動産の広告などで「売主」、「代理」、「媒介(仲介)」などという表記を目にしたことはありませんでしょうか。その表記が、取引態様を表しているのです。

不動産取引における取引態様は、不動産の売却や購入において極めて重要です。取引態様の種類により、取引における重要な要素を左右することになるのです。

この記事では、不動産取引における取引態様とその特徴に焦点を当て、不動産取引を成功に導くためのカギを探求します。取引態様の種類を示して、それぞれの特徴を明らかにし、取引態様の選択に関する明確な情報を提供します。

不動産屋

取引態様の理解は、不動産取引においての成功への第一歩です。不動産取引の成功に向けて、取引態様に関する知識を深め、最適な選択を行いましょう。きっと、取引態様の理解が円滑な取引を実現する助けとなるでしょう。

1. 取引態様の基本理解

1-1. 取引態様の定義

取引態様について、不動産広告などを見られたことがある方は、目にしたことがあるのではないかと思います。不動産の売買や貸借に関する広告をするとき、宅地建物取引業者へ取引態様の明示が義務付けられているためです。これは、宅地建物取引業法にて、規定されています。

取引態様により、不動産会社などの宅地建物取引業者の権限や受け取る報酬などに違いが出てきます。どの立場の不動産会社と契約をするのかを明確にするとともに、不動産取引をする方が安全に取引を行えるようにするためにも重要です。

1-2. 取引態様の種類

先ほど、取引態様の明示が必要だという話をしました。では、その取引態様には、どのような種類が存在しているのでしょうか。売買を前提にした取引態様の種類は、以下の通りです。

取引態様の種類

  • 売主
  • 代理
  • 媒介(仲介)

売主

不動産会社が、所有する物件を自ら販売するというように、直接取引を行う場合の取引態様になります。

代理

物件を所有する売主が不動産会社へ依頼をして、依頼を受けた不動産会社が売主に代わり取引を行う場合の取引態様になります。

媒介(仲介)

不動産会社が、売主と買主の間に入って取引を行う場合の取引態様になります。

2. 取引態様別の特徴

2-1. 「売主」の特徴

取引態様が「売主」の場合、不動産会社が所有する物件について、不動産会社を相手に直接取引を行います。もちろん、仲介ではありませんので、仲介手数料は発生しません。ただ、その分の利益として販売価格に含まれているということは考えられます。仲介手数料を払いたくないという方は、この形態をのぞまれるかもしれません。

しかし、不動産のプロである不動産会社と直接取引を行う上、その不動産会社に対しては重要事項の説明義務などはありません。リスクとして認識しておくのがよろしいかと思います。

また、媒介(仲介)物件などと比べると物件数が少ないという特徴もあります。

2-2. 「代理」の特徴

続いて、不動産会社が依頼を受けて、売主に代わり取引を行う形態である「代理」について見てみます。

代理である不動産会社と取引を行うことになります。仲介ではないため、買主には仲介手数料は発生しません。売主側は、代理手数料をその依頼した不動産会社へ支払うこととなります。ただ、その分の金額が販売価格の中に含まれている可能性は考えられます。

また、重要事項の説明義務がありますので、必要事項を説明してもらえるという安心感があります。疑問点などは、その時に解決することができるでしょう。

2-3. 「媒介(仲介)」の特徴

最後に、売主と買主の間に不動産会社が入り取引を行う「媒介(仲介)」について、見てみます。まず、媒介と仲介の違いについてですが、その違いはほぼありません。売主が不動産会社へ売却を依頼する際には、仲介という言葉が使われます。買主が不動産会社へ物件紹介を依頼する際にも、仲介という言葉が使われます。では、媒介という言葉はいつ使われるのでしょうか。それは、売主が不動産会社へ売却を依頼して、その際に結ばれる契約が媒介契約 となり、この時に使われるのです。

この形態での取引は、専門知識を備えた不動産会社が間に入る取引となり、重要事項の説明義務もありますので、必要事項を説明してもらえます。そして、契約から引き渡しまで取引をサポートすることになります。その報酬として、仲介手数料という形で、仲介した不動産会社へ支払うことになります。

このように、取引態様「売主」や「代理」と違い、仲介手数料が発生します。この手数料については、宅地建物取引業法にて上限があることが規定されています。そして、契約が成立した場合は、売主、買主双方は、それぞれ仲介を依頼した不動産会社へ仲介手数料を支払うことになります。

3. まとめ

不動産売買を前提に、「売主」、「代理」、「媒介(仲介)」の視点から取引態様別の特徴を紹介しました。不動産の売買や賃貸契約において、取引態様を意識することは非常に重要です。不動産会社の立場によって、異なる取引態様が存在し、それぞれに特徴と利点があります。

紹介した内容の通り、不動産取引において、取引態様の選択は非常に重要なことがわかってもらえたと思います。なんとなく知っていた言葉であっても、正確に理解することで適切な選択、取引が行える助けとなります。紹介したそれぞれの特徴を理解して、最適な取引態様を選ぶことが不動産取引を成功させるカギとなるのではないでしょうか。不動産会社のサポートを活用し、円滑な取引を実現しましょう。

4. Q&A

不動産取引における取引態様とは何ですか?

不動産屋

取引態様とは、不動産会社などの宅地建物取引業者が取引にどのような立場で関与しているのかを表したものです。
不動産売買を前提とした場合、「売主」、「代理」、「媒介(仲介)」が存在します。

取引態様の選択は不動産取引にどのような影響を与えますか?

不動産屋

取引態様の選択は不動産取引に大きな影響を与えます。選択した取引態様によって、不動産会社の立ち位置が異なってきます。不動産会社の重要事項説明義務の有無や仲介手数料の有無など買主にとって取引における重要な要素が左右されます。