共益費って何?使い道や家賃との関係を理解して快適な住まいを
日常生活において、住まいのコストや環境は重要な要素です。その中でも、集合住宅に住む際に避けて通れないトピック、それが共益費です。家賃と併せて考えられる費用ではないでしょうか。具体的に共益費についてイメージしたことはありますでしょうか。どのような費用でどのくらいの相場になるのかなど。
この記事では、共益費の概要から「管理費」との違いや具体的な用途に至るまで、分かりやすく解説します。さらに、家賃との関係についても紐解きますので、物件探しにあたって共益費を意識せずにはいられないこととなるでしょう。賃貸住宅に住んでいる方々にとって、共益費に関する知識は、生活を快適かつ合理的に過ごすための鍵です。みなさまが日々暮らす中で感じる快適さや安心感は、実は共益費の適切な管理によって支えられているかもしれません。
共益費にまつわる情報は、物件探しにあたり必要不可欠な知識ではないでしょうか。共益費を理解することで、物件の良しあしを判断する材料になると思います。あなたの住まい探しの重要な要素となる共益費の秘密を解き明かし、より快適な生活への第一歩を踏み出しましょう。
1. 共益費とは
1-1. 共益費の概要
共益費と聞いて、具体的にどのような費用なのか想像がつきますでしょうか。まず、定義について見ていきましょう。
共益費とは、下記のように定義されています。
借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。
出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
1-2. 管理費との違い
似たような費用で管理費という言葉を見たことはありませんでしょうか。はたして、共益費と管理費とではどのような違いがあるのでしょうか。
管理費とは、下記のように定義されています。
マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。
出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
共益費との違いはあるの?と思われたのではないでしょうか。共益費と管理費とでは、明確な違いはありません。一般的に同じような意味合いで使われています。共益費も管理費も集合住宅の管理・維持に使われる費用と考えれば良いと思います。
2. 共益費の扱い
2-1. 共益費は誰が決める?
共益費は、大家さんや管理会社が決めています。賃貸物件の共益費の相場は、家賃の5%~10%ほどになります。
共益費が高いか、安いかは値段だけでは一概に判断できません。共益費が高くてもオートロックなど設備が充実しており、物件の管理が行き届いていれば、それ相応と考えられます。逆に、安くても管理がされていなければ、費用に見合っているとは言えないのではないでしょうか。大切なことは、物件の管理・維持に見合った費用設定なのかを、実際の物件を見て確認することではないでしょうか。
2-2. 共益費に消費税はかかる?
共益費には、消費税がかかりません。下記のように、国税庁にて非課税と定められています。
住宅を共同で利用する上で居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税となります。
出典:国税庁HP「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」
2-3. 共益費が家賃に含まれている?
物件により、共益費が家賃とは別々の場合や、家賃に含まれている場合とがあります。毎月支払うものであれば、どちらでも同じと考えて良いのでしょうか。実は、そうとは言えません。毎月の金額は同じかもしれませんが、初期費用が異なってくるのです。
共益費が家賃と別の物件の方が、初期費用が安くなります。なぜなら、敷金や礼金などは「家賃1ヶ月分」などのように家賃をベースに計算されるためです。
3. 共益費の使い道
3-1. 共益費は何に使われる?
共益費の使い道には、明確な決まりはありません。具体的には、下記の用途に共益費が使われます。
共益費の用途例
- 共有部分の清掃費用
- 共有部分の電気代・水道代
- エレベーター・オートロックなどの設備の保守費用
- 植栽の管理費用
共益費の使い道について、具体的にイメージしたことがない方もいらっしゃるかと思いますが、物件の管理・維持をするための様々な用途があります。共益費の適切な使用により、住民全体が快適で安全な生活環境を享受できるようになるのではないでしょうか。
4. まとめ
共益費について、似たような費用である管理費と併せて具体的に解説しました。共益費に関して、曖昧な認識しかなかった方などは、この記事を参考に具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。
共益費について理解することで、物件を確認する際に一歩踏み込んだ確認もできるようになり、理想の物件を見つける助けになるのではないかと思います。
5. Q&A
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共益費って具体的には何に使われているのですか?
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共益費は、集合住宅の共有部分の管理・維持に充てられます。具体的な用途としては、共有部分の清掃費用、電気代・水道代、エレベーター・オートロックなどの設備の保守費用、植栽の管理費用などです。
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共益費は家賃に含まれている場合があるのでしょうか?
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はい、家賃に含まれている場合もあります。家賃と別々の場合とで比較すると毎月の費用は、家賃(+共益費)に関しては同じになります。ただ、初期費用に関しては、家賃をベースに計算されるため(敷金:家賃1ヶ月分など)、家賃と別々の方が安くなります。