一戸建ての固定資産税計算の基本と知っておきたい特別な減額制度

一戸建てを所有している方々にとって、固定資産税は毎年の負担となる税金です。しかし、その計算方法や特例など、実は知っておくと得をする情報があります。この記事では、固定資産税に関する重要なポイントを解説します。固定資産税の基本的な計算方法や課税標準額の算出、さらには減額制度についても詳しくご紹介します。一戸建ての所有者や将来の一戸建て購入を考えている方々にとって、この記事は必見です。

不動産屋

ぜひ最後までお読みいただき、一戸建ての固定資産税に関する知識を深め、お得に節税するためのヒントを手に入れましょう。

1. 固定資産税とは

1-1. 固定資産税の基本的な概要

固定資産税は、土地や建物などの固定資産に対して課税される市町村税です。毎年1月1日(賦課期日)現在の固定資産の所有者が、固定資産の所在する市町村に納めます。ただし、東京都23区内においては、特例で都が課税をすることになっています。
そして、計算期間については、毎年1月1日時点の所有者に対して、その年の4月1日から始まる年度分の税(年税)として課税するものです。

それでは、固定資産の所有者は、どのように判断されるのでしょうか。それは、土地や家屋の所有者として、固定資産課税台帳 に登録されている方が対象となります。

また、年の途中で不動産の売買などが行われた場合は、誰が納税するのでしょうか。ずばり、1月1日時点の所有者が納税することになります。その場合、売買契約等で固定資産税の負担割合を所有期間に応じて精算することが通常です。

1-2. 固定資産税の対象

固定資産税の対象資産とはどのようなものになるのでしょうか。固定資産税の対象資産は、土地、家屋及び償却資産となります。

固定資産税の対象資産

  • 土地
    田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地(雑種地)をいいます。
  • 家屋
    住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含みます)、倉庫その他の建物をいいます。
  • 償却資産
    土地及び家屋以外の、事業の用に供することができる資産

2. 一戸建ての固定資産税の計算方法

2-1. 計算の基本原則と税率

固定資産税は、以下の計算により算出されます。

納付税額 = 課税標準額 × 税率

土地の場合、課税標準額は、課税台帳に登録された土地の価格を基にして、住宅用地に対する特例措置や負担調整措置などを適用することにより算出されます。
家屋の場合、固定資産課税台帳に登録されている価格がそのまま固定資産税の課税標準額となります。
税率は、1.4%です。こちらは、標準税率であり、条例によって1.4%を超える税率を定めることもできます。

2-2. 課税標準額とその特例

先ほど記載したとおり、課税標準額は、固定資産課税台帳に登録されている価格が基になります。
固定資産課税台帳の価格は、3年に1度、評価替え(見直し)を行い、価格の変化を反映しています。この評価替えの年度を基準年度といい、令和3年度がこの基準年度にあたります。第2年度(令和4年度)、第3年度(令和5年度)は、原則として基準年度(令和3年度)の価格を据え置きます。ただし、新築、増改築等のあった家屋および分合筆等のあった土地など基準年度の価格によることが適当でない場合は、新たに評価を行い、新しい価格を決定します。

また、住宅用地については、以下の通り、課税標準額の特例があります。

用地の種類課税標準となる額
小規模住宅用地
(200㎡以下の住宅用地、200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡までの部分など)
台帳価格 × 1/6
小規模住宅用地以外の一般住宅用地
(200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡を超える部分など)
台帳価格 × 1/3

さらに、同一市町村で同一の方が持っている固定資産の課税標準となるべき額が、以下の免税点(金額)に満たない場合は、原則として、固定資産税は課税されません。

土地家屋償却資産
30万円20万円150万円

2-3. 住宅における税額の減額の特例

税額の減額の特例はいくつかありますが、特に重要な新築住宅に関する特例をご紹介いたします。
新築された住宅が、次の床面積要件(※)をみたす場合は、新たに課税される年度から3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)に限り、当該住宅に係る固定資産税額(居住部分で1戸あたり120㎡相当分までを限度)の2分の1が減額されます。
※住宅の床面積要件:50㎡以上280㎡以下の場合

項目3階建以上の耐火・準耐火建築物その他
期間5年間3年間
床面積の条件50㎡以上280㎡以下
減額される額120㎡までの部分について1/2の額となる

3. まとめ

固定資産税は、土地や建物などの固定資産に課される市町村税であり、所有者は年度ごとに納付する必要があります。
固定資産税の計算方法について、課税標準額や税率などをご紹介しました。そして、計算の基となる課税標準額は、住宅用地における特例があります。さらに、新築住宅における税額の減額についても解説いたしました。
また、固定資産税とあわせて都市計画税 が徴収されます。都市計画税は、同じく市町村税ですが、税の使途が特定されている目的税になります。固定資産税を納付する際に、あわせて徴収されますので、忘れずに対応しましょう。
ご紹介した税率や特例などは、令和5年7月現在の情報をもとに記載しております。具体的な計算方法や特例については、地方自治体ごとのホームページなどでもご確認いただけます。みなさまのお住いの自治体でご確認していただければと思います。

4. Q&A

固定資産税の計算方法はどのようになっていますか?

不動産屋

固定資産税は、以下の通り計算されます。標準税率は、1.4%です。

納付税額 = 課税標準額 × 税率

固定資産税には特例があると聞きましたが、具体的にはどのような特例がありますか?

不動産屋

住宅用地について、課税標準額の特例があります。住宅用地の面積により課税標準額が減額されます。
また、期間に定めがありますが、新築住宅の面積要件を満たせば、税額が減額される特例もあります。