建物状況調査とは？重要性やメリットについて解説

不動産の未来を明るくする一歩を踏み出すために、建物状況調査についての知識を深めてみませんか？

不動産取引において、物件の外観や内部の美しさに魅了されがちですが、そこからは見えない問題が潜んでいることがあります。これこそが、建物状況調査が重要な役割を果たす瞬間です。

まずは、「建物状況調査とは何か」から始めましょう。これは、不動産取引において欠かせないステップの一つで、買主や売主にとっても重要な情報を提供します。建物状況調査を通じて、物件の実際の状態を客観的に評価し、潜在的な問題や安全性の懸念を特定することができます。建物状況調査について、調査項目や時間、費用についても解説します。

この記事は、不動産取引におけるリスクを最小限に抑え、将来の幸福な住居や資産の取引を実現するための貴重な情報を提供します。建物状況調査は、未来の安心につながる一歩です。不動産の専門家と協力し、建物状況調査を通じてスムーズで安心な取引を進める手助けとして、ぜひこの記事をご活用ください。

1. 建物状況調査とは何か

1-1. 建物状況調査の定義

建物状況調査とは、下記の通り定義されています。

国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を把握するための調査です。
出典：国土交通省「住宅瑕疵担保制度ポータルサイト」「住宅事業者の方向け情報」「インスペクション」「不動産業課チラシ　建物状況調査を活用しませんか（買主用）」（https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/jigyousya/inspection.html）

建物状況調査は、国土交通省の定める基準に従い、原則として目視・非破壊検査となります。そして、中古住宅の売買時に現況調査を行うことで、その時点での物件の構造安全性や劣化事象等を把握できます。

似たような言葉に「ホームインスペクション」という言葉があります。こちらは、住宅関連の検査全般を指します。事業者によって検査内容なども異なってきます。建物状況調査とは異なりますので、ご注意ください。

1-2. 建物状況調査を行うメリット

建物状況調査は、物件の実際の状態を客観的に評価し、潜在的な問題を特定するための効果的な手段です。これは、買主、売主双方にメリットがあります。不動産取引におけるリスクの軽減、交渉力の向上、資産価値の確保に繋がります。

買主にとっては、専門家が調査を行うことにより、住宅の状態を理解することができるため、安心して取引を行うことができます。また、住宅の状態を把握することで、適切な補修などを計画する際の参考にすることできます。

売主にとっては、事前に住宅の状態を把握してもらうことで、引き渡し後のトラブル防止をすることができます。また、調査を行っていない物件との差別化を図ることもできます。

1-3. 建物状況調査を行うデメリット

建物状況調査を行うことは、メリットだけではなく、デメリットも存在しますので、あらかじめ理解しておくことが大切です。

買主にとっては、コストがかかるというところがデメリットとして挙げられます。また、調査は目視が中心ですので、細かいところまでは調査ができないため、完全に問題がないというところまでは確認ができません。

売主にとっては、売主側で調査する場合、コストがかかるため収益が減少します。また、不具合が見つかった場合は、補修費用の負担や物件価格の低下などが生じる可能性も出てきます。

2. 建物状況調査の内容

2-1. 調査項目にはどういったものがあるのか

建物状況調査は、現場で足場等を組むことなく、歩行により移動できる範囲や小屋裏点検口や床下点検口から目視可能な範囲が対象となります。基本的に、目視・非破壊検査となります。

項目については、検査の観点から、大きく以下の2つに分けられます。

調査項目

構造耐力上主要な部分
基礎、床、壁、柱、小屋組、梁、土台
雨水の侵入を防止する部分
屋根、外壁、サッシ、小屋組、天井、内壁

2-2. 調査にかかる時間や費用

まず、調査にかかる時間についてですが、木造戸建て住宅の場合で、3時間程度となっています。これは、調査する物件の規模にもよりますので、目安としてお考え下さい。

調査費用にいては、各調査実施者により異なりますので、依頼する調査実施者への確認が必要です。依頼方法については、次項に記載していますので、ご確認ください。

3. 建物状況調査を実施するには

3-1. 建物状況調査の依頼方法

建物状況調査を実施したい場合は、不動産会社へあっせんの依頼をすることで可能です。また、下記のサイトから技術者を検索することもできます。

既存住宅状況調査技術者検索サイト
出典：一般社団法人住宅リフォーム推進協議会

4. まとめ

建物状況調査は、専門家が基準に従って住宅の状態を評価する調査です。調査に関しては、目視・非破壊にて行われますので、確認できる内容には一定の限界が存在します。

コストはかかりますが、住宅の状態を客観的に判断でき、買主や売主にそれぞれメリットをもたらしてくれます。物件引き渡し後のトラブル防止や他物件との差別化ができます。

建物状況調査は、不動産取引におけるリスクを軽減し、物件の価値を正確に評価するために不可欠なステップです。将来のトラブルを予防する助けになりますので、不動産の専門家と協力して、建物状況調査を通じてスムーズな取引を行うができます。