住宅購入の予算の決め方はあるのか?頭金と諸費用の見逃しを防ごう
住宅を購入するという決断は、一生に一度の大きなイベントのひとつです。そのため、計画的な予算設定は欠かせません。ただ、どのように住宅購入の予算を決めればよいのか疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年収、月々のローン返済額、頭金、諸費用など、予算を決めるためのベースが存在します。それを基に予算を決める方法についてご紹介します。その予算の算出にあたっては、注意する点もいくつかあります。それらも踏まえて予算の算出方法について、ご紹介します。将来の経済的な安定を確保する計画を立てることで、夢の住宅を手に入れ、安心して新しい生活を始めることができます。
この記事では、住宅予算設定における重要なポイントについて詳しく解説します。これらのアドバイスを活用して、理想の住宅を手に入れ、経済的な安定を確保していただければと思います。住宅購入は夢の実現に向けた第一歩です。
1. 住宅購入の予算を決めるにあたり
1-1. 住宅購入の予算の目安
住宅を購入する際に、予算はいくらぐらいが妥当なのか悩まれると思います。
目安として、「フラット35利用者調査」による所要資金の全国平均は、以下の通りです。
出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」-「調査結果データ2022年度」(出典元)
住宅の形態により所要資金が大きく異なることがわかります。新築なのか中古なのか、戸建てなのかマンションなのか、家族構成やライフスタイルなどによって予算は変わってきます。
2. 住宅購入の予算の決め方
住宅を購入する際は、多くの方は住宅ローンを利用されると思います。住宅購入の予算を決めるにあたり、住宅ローンの借入額をベースに考えたいと思います。
2-1. 年収から考える
住宅ローンの借入可能額を決めるにあたり、年収から考えるという方法があります。
この算出には、「年収倍率」という指標を使います。
年収倍率
年収倍率とは、住宅の購入金額が年収の何倍になるかを表した数値です。
借入可能額を考える際、年収倍率は、一般的に5~7倍に抑えるのが適正とされています。
例えば、年収400万円の場合、2,000万円~2,800万円が借入可能額の目安となります。
2-2. 返済額から考える
住宅ローンの借入可能額を決める方法として、返済比率(返済負担率)を指標とするものもあります。毎月の返済額を基準として、借入可能額を算出するというものです。
返済比率
返済比率とは、額面年収に対する住宅ローンの年間返済額の占める割合のことです。
返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収
例えば、年収400万円の方で年間返済額を80万円とする場合、返済比率は20%となります。
80万円 ÷ 400万円 = 20%
この返済比率は、一般的に20%以内に抑えるのが適正とされています。
2-3. 予算を決める時に考慮しなければならない費用
住宅ローンの借入可能額がわかりましたので、これで住宅価格が決まると思いましたでしょうか。実は、住宅購入の予算を決めるにあたり、考慮しなければならない費用があります。それが頭金 や諸費用 になります。
頭金
頭金とは、住宅を購入する際に物件価格の一部を現金で支払うことを指します。
頭金の役割としては、住宅ローンの金額を削減し、返済負担を軽減したり、ローン審査の通過率を上がることにもつながります。金融機関によっては、頭金がなくとも住宅購入価格の全額を融資してもらえる場合もあります。そのため、頭金は必須ではありませんが、先に述べた効果や金融機関によっては、頭金があることで金利を引き下げる効果がありますので、準備するのがよいでしょう。
頭金の最適な金額は、物件価格の20%以上を目指すことが一般的に推奨されています。物件価格が1,000万円の場合、200万円以上となります。しかし、個々の状況や目標によって異なるため、自身の経済状況や将来の計画を考慮して決定する必要があります。
諸費用
住宅諸費用には、購入費用、融資関連費用、維持費用、税金や手数料など、さまざまな種類と内容があります。
種類 | 内容 |
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不動産仲介手数料 | 不動産会社への仲介手数料 |
印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代 |
不動産取得税 | 不動産を取得した時にかかる税金 |
固定資産税 | 固定資産の所有者に対して課される税金 |
登録免許税 | 不動産の所有権を登記する時にかかる税金 |
司法書士報酬 | 不動産の登記を依頼した時に支払う報酬 |
銀行手数料 | 住宅ローンを利用する場合にかかる事務手数料 |
保証料 | 保証会社に保証を依頼するための費用 |
火災保険料 | 火災保険加入時にかかる保険料 |
諸費用の目安としては、新築物件:物件価格の約3~7%、中古物件:物件価格約6~10%とされています。
これで、住宅購入の予算を決める要素が出そろいました。住宅購入予算の決め方は、以下の通りです。
住宅購入予算の算出方法
住宅購入予算 = 住宅ローン借入額 + 頭金 + 諸費用
※住宅ローン借入額 + 頭金 = 住宅価格 に充てる金額
※頭金 + 諸費用 = 自己資金 として準備するお金
住宅ローン借入額と自己資金で住宅購入予算が決まります。自己資金について、手持ちのお金をすべて充てるという考え方にはリスクがあります。病気やケガ、子どもの教育費などに備えるために、手元にお金を残しておくことをおすすめします。
3. まとめ
住宅購入において、予算の設定は将来の安定と幸福な生活の基盤を築く重要な一歩です。収入と支出のバランス、返済計画、頭金、諸費用を考慮して、理想の住宅を手に入れるために慎重に計画しましょう。
4. Q&A
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住宅購入の予算を決めるには、どうすればよいですか?
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住宅ローン借入額、頭金、諸費用をもとに算出します。そこから、住宅価格の目安を知ることができます。
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住宅購入の予算を決める必要がありますか?
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住宅購入の予算を算出することで、住宅価格の目安や自己資金とし使用できる金額を把握するこができます。また、ライフプランを考える上でも役立ちます。