定期借家契約をご存じでしょうか?後悔する前に知っておいてください
お部屋を借りる際の契約形態として、「定期借家契約」というものが存在します。内容を知らずに契約をすることで、この記事で紹介するような内容で後悔することになるかもしれません。定期借家契約についてご存じないという方や、これから物件探しの予定があるという方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
定期借家契約以外の賃貸借契約に普通借家契約があります。多くはこの普通借家契約になりますので、これらの違いについても紹介します。また、定期借家契約について、借主、貸主にとってそれぞれどのような意味があるのか。さらに、この契約形態を知らずに後悔することのないように、物件を借りる際の注意点についても紹介します。
物件を借りる際、多くは普通借家契約ですが、その他に定期借家契約という形態が存在します。こちらの契約形態について知らないと後悔することになりかねません。「普通」と「定期」とちょっとした言葉の違いでも内容は大きく異なります。物件選びの前提知識として、ぜひ、この記事を参考に定期借家契約について知っておいていただければと思います。
1. 定期借家契約
1-1. 定期借家契約とは
契約期間の定めがある賃貸借契約です。この契約期間は、その期間が経過すると賃貸借契約も終了します。借主は、期間満了すると退去する必要があります。
普通借家契約の場合、契約期間が経過すると更新を行うことができます。更新を行うことで、引き続き居住することができます。定期借家契約の場合は、この更新の概念がありません。
2. 定期借家契約の考え方
2-1. 借主側から見た定期借家契約
借主側から見た定期借家契約とはどのようなものでしょうか。借主の立場で考えてみたいと思います。
借主側から見た定期借家契約
- 安い家賃で借りられる場合がある
- 契約期間経過後は退去する必要がある
- 契約期間中は解約できない
安い家賃で借りられる場合がある
定期借家契約は、契約期間が決まっており更新ができないという特徴があります。これは借主に不都合なため、貸主は安めの家賃を設定するということがあります。
契約期間経過後は退去する必要がある
定期借家契約には更新がありませんので、契約期間が経過すると退去する必要があります。物件を気に入って住み続けたいと思っても、契約の更新ができませんので退去することになります。
契約期間中は解約できない
定期借家契約は原則途中解約が認められないため、契約期間内は途中で解約することができず住み続ける必要があります。ただし、転勤、療養、介護などの特別の事情があれば途中解約を申し入れることはできます。
2-2. 貸主側から見た定期借家契約
貸主側から見た定期借家契約とはどのようなものなのでしょうか。貸主の立場で考えてみたいと思います。
貸主側から見た定期借家契約
- 利用期限が決まっている物件を貸し出せる
- 契約期間内は賃料収入が見込める
利用期限が決まっている物件を貸し出せる
定期借家契約は期間経過と同時に契約が終了するため、様々な事情により期間限定で物件を貸し出したいといった場合に、あらかじめ決まっている期間に限定して物件を貸し出すことができます。
契約期間内は賃料収入が見込める
定期借家契約は原則途中解約ができないため、契約期間内は安定して賃料収入を得ることができます。
3. 定期借家契約の注意点
3-1. 後悔する前に定期借家契約を知っておこう
定期借家契約について、借主、貸主の立場を踏まえながら見てきました。定期借家契約に対する契約形態として、普通借家契約があります。これらの契約の最大の違いは「契約の更新の有無」です。定期借家契約は更新ができませんので、定められた契約期間しか住めないということを理解しておく必要があります。
そして、この契約期間はピンポイントです。もちろん契約の更新ができませんので、契約期間を超えて住み続けることはできませんし、契約期間の途中で解約することもできません。契約期間の途中で退去する必要がある場合でも、契約期間内は家賃を払い続ける必要があります。これは原則で、例外として転勤、療養、介護などの特別な事情があれば途中解約を申し入れることはできます。
また、定期借家契約は契約の更新はできませんが、再契約というものが存在します。これは、借主、貸主双方の合意により契約期間経過後に契約をし直すというものです。再契約を行うことで住み続けることができます。ただ、ここで注意が必要なのは、再契約とは再び契約をすることですので、初期費用が再度必要になってくるということです。もちろん貸主との契約内容によりますので、初期費用などは異なってきますが、この点はあらかじめ理解しておく必要があります。
4. まとめ
お部屋を借りる際の契約形態として存在する、「定期借家契約」について紹介しました。普段の生活では聞き慣れない言葉だと思います。しかし、物件選びをする際には、その内容を知っておくことはとても重要なことであるということが、わかってもらえたのではないでしょうか。
契約形態一つにしてもなんとなくで物件選びをすることで、思わぬ落とし穴にはまることもあります。物件の詳細情報の表示については、聞き慣れない言葉もあったりします。少しでも不明なことがあれば、不動産屋などに確認することが大切です。不明な言葉が出てきて確認したい、物件探しを手伝ってほしいという要望がありましたら、お気軽に当方へ相談していただければと思います。全力でサポートいたします。
5. Q&A
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定期借家契約とは何ですか?
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契約期間の定めがある賃貸借契約のことです。契約を更新できませんので、その契約期間が経過すると住み続けることはできず、退去する必要があります。
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定期借家契約の契約期間経過後も住み続けたい場合は、どうすればよいですか?
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定期借家契約には更新の制度がありませんので、契約期間経過後は住み続けられません。ただし、借主、貸主双方の合意のもと再契約を結ぶことが可能な場合がありますので、再契約により住み続けるという道はあります。この場合、再び契約することになりますので、初期費用などが必要になってくることに注意が必要です。