一戸建て住宅の都市計画税はいくらか: 計算と特例のポイント
街の魅力を高め、住みやすさを追求するためには、市街地や公共施設の整備が欠かせません。その資金調達手段のひとつとして、都市計画税があります。本記事では、都市計画税について深く掘り下げ、知っておきたいポイントや役立つ情報をご紹介します。
この記事では、一戸建て住宅の都市計画税の計算方法や支払い時期、さらには特例制度や免税点についても詳しく解説しています。これによって、あなたの住まいとお財布にとって最適な方法を見つける手助けとなるでしょう。
都市計画税は、私たちの住まいと地域の未来を支える大切な要素です。その仕組みを理解することで、より快適で魅力的な暮らしを実現できることでしょう。本記事では、都市計画税の基本から特例措置などの幅広い情報を提供しています。あなたの暮らしと地域づくりに役立つヒントが見つかるかもしれません。是非、記事を読み進めて、都市計画税の世界を探ってみてください。
1. 都市計画税とは
1-1. 都市計画税の基本
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課する税金です。都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業等に応じて、市町村の自主的な判断(課税する場合は条例が必要)に委ねられます。
また、都市計画税は市町村税ですが、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税することになります。
都市計画税の対象事業
- 都市計画事業
- 都市計画施設の整備に関する事業
都市計画施設の種類として、道路、公園、下水道などがあります。
- 市街地開発事業
土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、市街地再開発事業、新都市基盤整備事業など
- 都市計画施設の整備に関する事業
- 土地区画整理事業
都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいいます。
普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税 と異なり、都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)であり、皆さんが住む市町村の発展のため、都市計画事業(道路、水道、公園などの公共施設の整備など)や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
1-2. 都市計画税の課税対象
都市計画税の課税対象となるのは、一戸建て住宅をはじめとする土地や家屋になります。その対象は、固定資産税の対象と同一です。
都市計画税の対象
- 土地
田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地(雑種地)をいいます。 - 家屋
住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含みます)、倉庫その他の建物をいいます。
2. 一戸建て住宅の都市計画税について
2-1. 一戸建て住宅の都市計画税の計算方法
都市計画税は、以下の計算方法で算出されます。
納付税額 = 課税標準額 × 税率
土地の場合、課税標準額は、固定資産課税台帳 に登録された土地の価格を基にして、住宅用地に対する特例措置や負担調整措置などを適用することにより算出されます。
家屋の場合、固定資産課税台帳に登録されている価格がそのまま都市計画税の課税標準額となります。
なお、税率について、課税市町村の条例で決めることができますが、0.3%を超える税率にすることはできません。
2-2. 都市計画税の支払い時期と方法
市街化区域内に土地や家屋を所有している個人・法人が都市計画税を納税します。その都市計画税の支払い時期は、地域によって異なりますが、一般的に年に数回、分割して支払うことが多いです。
例えば、東京都の場合は、6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回で、第1期の納付月に送付される納税通知書によって、各納期限までに納めます。
※都市計画税は市町村税ですが、東京都の23区内は都が都税として課税しています。
支払い方法は、振込や口座自動引き落としなど、自治体が指定する方法で行います。東京都では、以下の支払い方法があります。
- 金融機関・都税事務所等
- コンビニエンスストア
- スマートフォン決済 アプリ
- クレジットカード
- ペイジー
- eLTAX電子納税
- 口座振替
都市計画税は土地、家屋の固定資産税とあわせて課税されます。納税通知書には、都市計画税と固定資産税の税額が記載されています。支払い時期や方法は自治体ごとに異なりますが、一般的には年数回に分割して支払うことで住民の負担を軽減しています。具体的な支払い詳細については、所在地の自治体の指示に従うことが重要です。
3. 都市計画税の特例措置
3-1. 課税標準額とその特例
先ほど記載したとおり、課税標準額は、固定資産課税台帳に登録されている価格が基になります。
固定資産課税台帳の価格は、3年に1度、評価替え(見直し)を行い、価格の変化を反映しています。この評価替えの年度を基準年度といい、令和3年度がこの基準年度にあたります。第2年度(令和4年度)、第3年度(令和5年度)は、原則として基準年度(令和3年度)の価格を据え置きます。ただし、新築、増改築等のあった家屋および分合筆等のあった土地など基準年度の価格によることが適当でない場合は、新たに評価を行い、新しい価格を決定します。
また、住宅用地については、以下の通り、課税標準額の特例があります。
用地の種類 | 課税標準となる額 |
---|---|
小規模住宅用地 (200㎡以下の住宅用地、200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡までの部分など) | 台帳価格 × 1/3 |
小規模住宅用地以外の一般住宅用地 (200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡を超える部分など) | 台帳価格 × 2/3 |
3-2. 都市計画税の免税点
区市町村の各区域内に、同一人が所有する固定資産の課税標準額の合計額が、それぞれ次の金額に満たない場合には、都市計画税は課税されません。
土地 | 家屋 |
---|---|
30万円 | 20万円 |
4. まとめ
都市計画税は、都市整備などの費用に充てるための目的税です。都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村に納税します。なお、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税することになります。
そして、都市計画税には特例措置や免税点があり、特定の条件を満たすことで税金の軽減や免除が受けられます。
納税対象者は、納期までに納付する必要があり、固定資産税とあわせて徴収されますので、忘れずに対応しましょう。
各自治体の具体的な制度や要件は異なるため、詳細な情報は対象の自治体に確認することをおすすめします。
また、ご紹介した都市計画税の計算方法や特例については、令和5年8月現在の情報をもとに記載しております。具体的な計算方法や特例については、各自治体のホームページなどでもご確認いただけると思いますので、最新の情報は各自治体へお問い合わせいただければと思います。
5. Q&A
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都市計画税とは何ですか?
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都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課する税金です。
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一戸建て住宅の都市計画税はどのように計算されますか?
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都市計画税は、以下の計算方法で算出されます。
納付税額 = 課税標準額 × 税率(※)
※0.3%以下で、市町村の条例によります