新築に限らず考えたい一戸建て住宅の防犯対策
防犯対策が、個人の防犯意識に左右されるせいでしょうか。マンションなどと比べると一戸建て住宅への侵入窃盗の件数が多くなっています。そのような状況の中、一戸建て住宅に住んでいる方、これから住む予定の方は、防犯対策をすでにとられていますでしょうか。
この記事では、侵入の手口や侵入口の種類や構成比などとともに防犯について考えてみたいと思います。どのような防犯対策があるのかいっしょに見ていきましょう。備えあれば患いなしです。
防犯対策について、考えたことはありますでしょうか。一戸建ての防犯対策について紹介します。対策を行おうとすると、どうしても費用がかかってきます。費用をかけずに日ごろから注意できることもありますので、参考にしてみてください。
1. 侵入窃盗の被害状況
1-1. 侵入窃盗の発生場所
一戸建てやマンションなど、どのような場所で侵入窃盗が発生しているのでしょうか。警察庁の「住まいる110番」によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数は、下記の通りとなっています。一戸建住宅が33.0%と最も多くなっています。
警察庁「住まいる防犯110番」-「データで見る侵入犯罪の脅威」
1-2. 侵入窃盗の侵入手口
発生件数の多い一戸建て住宅での、侵入手口について見てみます。警察庁の「住まいる110番」によると、下記の通りとなっています。「無締り」が最も多くなっています。無締りとは、玄関ドアや窓などに鍵をかけていないことです。半数以上が、施錠されていない場所からの侵入となっています。これは、意外でした。侵入に関して、なんらかの方法で鍵を開けたり、窓を壊して行うというイメージがあったからです。
警察庁「住まいる防犯110番」-「手口で見る侵入犯罪の脅威」
1-3. 侵入窃盗の侵入口
警察庁の「住まいる110番」によると、一戸建て住宅の侵入口としては、窓が最も多くて半数以上を占めています。この結果をみると、窓に防犯対策をとることが有効だと思われます。
警察庁「住まいる防犯110番」-「手口で見る侵入犯罪の脅威」
2. 狙われやすい家の特徴
2-1. 留守の時間帯が決まっている
侵入者は事前に下見をするケースが多いと言われています。その際、留守かどうかも確認します。留守が多かったり、決まった時間に留守にしている場合は、狙われやすくなるでしょう。
郵便受けに新聞や手紙が溜まっている場合、留守だと思われますので溜めないように日ごろから気を付けると良いでしょう。
2-2. 人目に付きにくく死角が多い
侵入者は、下見の際に逃げやすいかどうかも確認します。立ち話をしている人や通行人がいないかどうかが、ポイントとなるようです。つまり、人目に付きにくい場合に、狙われやすくなると考えることができます。
また、犯行をあきらめた理由で多いのが、「近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られた」ということのようです。人目につきにくく死角が多いと犯行の対象となりやすいということでしょう。
2-3. 防犯対策が弱い
侵入に手間取り、5分かかると侵入者の約7割はあきらめると言われています。防犯対策を行うことで、犯行をあきらめさせることにつながります。
侵入しやすく逃げやすい住宅は、狙われる可能性が高くなりますので、防犯対策を行うことが重要です。
3. 一戸建て住宅の防犯対策
3-1. 玄関の防犯対策
紹介した通り、侵入窃盗の侵入手口は、無締りによる侵入が最も多くなっています。留守にする時はもちろん、ゴミ捨てなどのちょっとした外出や、家にいる場合も鍵をかけるようにしましょう。
物理的な鍵自体を見直す場合は、ピッキングのされにくいディンプルキーにするという対策が考えられます。また、ドアに2つ以上の鍵を取り付けることで、鍵を開ける手間がかかりますので、防犯性を強化することができます。
ピッキング以外では、サムターン回しという方法で解錠する手口があります。サムターンとは、玄関ドアについている内側から施錠、解錠するためのつまみ部分です。そのサムターンを玄関ドアの外側から穴を開けて回すことで、解錠して侵入するのがサムターン回しによる方法です。この対策としては、サムターンカバーを付けたり、着脱式のサムターンを導入することが考えらえます。
3-2. 窓の防犯対策
窓は、侵入窃盗の侵入口の中で最も多い侵入口となります。窓に補助錠を付けたり、鍵付きのクレセント錠を導入するという対策があります。クレセント錠とは、窓などの室内側に取り付けられる三日月のような形をした締め金具のことです。
また、窓ガラスに防犯フィルムを貼ったり、窓ガラスを防犯ガラスに替えたりすることで、窓ガラスを割られにくくします。
さらにシャッターを付けることで、窓ガラスを割ることができなくなりますので、防犯性が強化されます。
3-3. その他の防犯対策
具体的な対策ではありませんが、マーキング されていないかチェックをしてみるのも良いでしょう。侵入者は、事前に下見をしますので、その際にマーキングをすることがあります。住宅周辺のマーキングをチェックすることで狙われているかどうかを判断することができます。
防犯カメラやセンサーライトを設置するという対策もあります。防犯カメラは、侵入された際の状況を録画できるのはもちろん、侵入の抑止効果もあります。
また、異常を検知すると警備員が駆け付けてくれるなどのサービスが提供される、ホームセキュリティを導入するという対策もあります。
4. まとめ
一戸建て住宅の防犯対策について見てきました。マンションなどに比べると侵入窃盗の発生件数の多い一戸建て住宅。個人で防犯対策をする必要がある分、防犯が手薄になるのかもしれません。
防犯対策をするにしても、導入する対象により費用も異なってきます。費用面を考えると導入が難しいものもあると思います。ただ、日ごろから気を付けられる対策もあります。そのような対策をしつつ、防犯に対する意識を持つことが大切だと考えます。この記事で紹介した内容が、防犯について考えるきっかけとなればと思います。
5. Q&A
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侵入窃盗で、狙われやすい家などあるのでしょうか?
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留守が多く、決まった時間帯に留守にしていたり、人目に付きにくく死角が多い住宅や防犯対策が弱い住宅などが狙われやすいでしょう。
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防犯対策には、どのようなものがありますか?
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侵入口として件数の多い「窓」を例とした場合、補助錠を付けたり鍵付きのクレセント錠を導入する、防犯フィルムを貼ったり防犯ガラスへ替える、シャッターを付けるなどの対策があります。