不動産売却の手続きの流れを注意点をふまえて解説
相続した不動産を売りたい、急な転勤で不動産を売りたいなどの事情により不動産の売却が必要となった場合に、手続きはどのようにすればよいのでしょうか。不動産売却の流れについて知っておくことで、安心して取引を行うことができるのではないでしょうか。
少しでも可能性があれば、今のうちに確認しておくのが後の安心につながります。一生のうちで何度も経験することではないと思いますので、不動産の売却の流れを知っているという方はそう多くはないと思います。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
不動産の売却について、その流れを解説します。注意点をふまえて解説していますので、参考にしていただければと思います。
1. 不動産売却の準備
1-1. 不動産売却の概要
不動産売却の成功は、事前の計画と準備にかかっています。売却の流れを理解し、適切な準備をすることで、スムーズに手続きを進め、適正価格での売却が可能になります。
売却の流れにはいくつかステップがありますので、事前に確認しておくことで販売活動をスムーズに進めることができます。この後説明していきますので、ご確認いただければと思います。
1-2. 売却前の情報収集
売却前の情報収集は、売却予定の不動産の適正価格を知り、信頼できる不動産会社を選ぶために不可欠です。情報を集めることで、売却時の適切な判断が可能になります。
適正価格については、オンライン(インターネット)で類似物件の売却価格を調査するという方法があります。売却予定の不動産の市場価値を把握することができます。
2. 不動産屋の選定
2-1. 不動産屋の選び方
信頼できる不動産屋をご存じの方は問題ありませんが、多くの方はどの不動産屋を選べばよいか迷われるのではないでしょうか。不動産屋の選び方は、売却の成否を左右する重要なステップです。信頼性、実績、サービス内容などを総合的に判断し、自分に合った不動産屋を選ぶことが大切です。
合う合わないとは相性の問題でしょうか。それも大事だと思います。具体的には、いくつかの不動産屋へ問い合わせをして、その対応を通して信頼できるかどうかを判断することがよいでしょう。それでは、複数の不動産屋への問い合わせは、どのようにしたらよいのでしょうか。
例えば、複数の不動産屋へご自身の抱えている不動産に関する悩みや質問をしてみるというのも判断材料になると思います。不動産屋により回答内容は異なってくると思います。形式的な回答だったり、丁寧に回答してくれたりと色々な回答があるかと思いますので、そのやりとりをふまえてその不動産屋が信頼できるかどうかを判断することができます。
2-2. 複数の不動産屋への査定依頼
不動産屋を選ぶ方法として、複数の不動産会社に査定を依頼することも考えられます。ご自身で確認した適正価格と不動産屋が提示した売却価格を比較して検討することができます。
根拠のない高額な売却価格の提示や売却を急がせる不動産屋は要注意です。お客様の利益ではなく、自分達の利益を優先することが根底にあると思われます。1つの不動産屋のお話を聞いただけでは判断が難しい場合もありますので、複数の不動産屋へ問い合わせて比較することで判断がしやすくなるでしょう。
2-3. 不動産屋との媒介契約
不動産会社との媒介契約は、売却活動の開始にあたり重要なステップです。契約内容を十分に理解し、自分に最も適した契約形態を選ぶことが大切です。その媒介契約には下記の3種類があります。
媒介契約の種類
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
これらの契約には、どのような違いがあるのでしょうか。媒介契約の種類と選び方については、こちらの記事 を参考にしてみてください。媒介契約にはそれぞれ特徴があり、メリット・デメリットが存在します。ご自身のニーズに合った契約形態を選ぶことが重要です。
3. 売却活動の開始
3-1. 購入者募集の広告活動
媒介契約を結んだ後は、売却活動が開始されます。不動産屋において、広告活動が実施されます。不動産屋によって対応内容は異なりますが、インターネット広告への掲載やチラシのポスティングなど様々な方法にて広告活動を行います。
主に不動産屋にて広告活動を行いますので、売主で特に対応することはありません。契約内容にもよりますが、依頼した不動産屋にて囲い込みをせずに、幅広く広告活動を行うことで早期売却へとつながります。
3-2. 購入検討者の内見対応
購入検討者への内見対応は、売却活動の重要なステップです。内見は、購入検討者が実際に物件を確認し、購入を決定する重要な機会です。そのため、内見時の準備と対応が購入意欲に大きく影響します。適切な準備と対応により、物件の魅力を最大限に引き出すことにつながるでしょう。
具体的には、清掃、整理整頓、室内の明るさ調整など、内見時の準備が重要です。売主が居住中の場合は、売主が対応されるのがよいと思います。実際に住んでいますので、周辺環境にも詳しいと思います。購入検討者の質問に的確に答えることで、信頼感を与え、購入意欲を高めることができます。
4. 売買契約の手続き
4-1. 購入希望者の対応と交渉
購入希望者への対応と交渉は、不動産売却の成功に不可欠なステップです。購入希望者のニーズを理解し、柔軟な交渉を行うことで、双方にとって満足のいく契約を成立させることができます。
購入希望者が現れましたら、条件交渉を行います。購入希望者と売主の間には、媒介契約を結んだ不動産屋が入ります。その不動産屋を介して条件交渉を行うことになります。主に売買価格などの金額面が交渉の焦点となることが多いため、あらかじめ不動産屋と売買価格の最低ラインなどを話し合っておくとよいでしょう。
4-2. 売買契約書の作成と売買契約の締結
売買契約書の作成と内容確認は、法的なトラブルを避けるために極めて重要です。契約内容を詳細に確認し、不明点や疑問点を解消することで、安心して契約を進めることができます。
買主と売主が合意した内容をもとに、不動産屋にて売買契約書を作成します。後のトラブルを避けるためにも、事前に売買契約書の内容を確認するとよいでしょう。また、売買契約当日までに必要な書類を準備する必要があります。
手続きの流れとして、売買契約の締結に先立ち、買主への重要事項の説明が行われます。その後、売買契約書の内容確認を双方で行い、売買契約書へ署名・捺印を行い売買契約を締結します。
5. 決済と引き渡し
5-1. 決済に必要な書類
不動産売買の決済には、さまざまな書類が必要です。これらの書類を事前に準備しておくことで、決済手続きがスムーズに進みます。
主な必要書類は、下記をご参照ください。
必要書類
- 本人確認書類
- 登記済証(登記識別情報)
- 実印
- 印鑑証明書
- 固定資産税納税通知書
- その他不動産屋から要請された資料
不明点があれば不動産屋に確認して、事前に必要書類を準備しておきましょう。安心して決済手続きを進めるために、早めの準備をおすすめします。
5-2. 決済手続きと引き渡し
決済手続きは、不動産取引の最終段階であり、代金の受領と引き渡しが行われます。適切な手続きを踏むことで、トラブルを防ぎ、安心して取引を完了できます。
買主より残代金を受領、買主への鍵の引渡し、仲介手数料と登記費用の支払い、所有権移転登記の手続きなどがあります。また、ローン借入のある場合は、抵当権抹消の手続きも行われます。
決済当日に売主が行うことは、不動産屋への仲介手数料の支払いと司法書士への登記費用の支払いです。決済が無事に完了すると売主から買主へ不動産の引渡しが行われます。
6. 売却後の手続き
6-1. 確定申告
不動産を売却した後は、翌年の確定申告を行う必要があります。売却益が発生した場合、譲渡所得税が課されるため、適切に確定申告をすることが重要です。
また、特例や特別控除により譲渡所得が発生しなくなる場合でも、確定申告を行うことに注意しましょう。特例や控除の適用を受けるには、確定申告が必要となるためです。
7. まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
不動産売却時の流れについてご説明しました。事前にこの流れを把握することで安心して取引を行うことにつながると思います。何度も経験することではないと思いますので、不明点が出てくることかと思います。そのような場合は、あいまいなまま取引を行わずに、不動産屋など専門家へ確認しておくことが重要です。
私どもでも不動産売却のお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
8. Q&A
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不動産売却を始める前にどんな準備が必要ですか?
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不動産売却を始める前には、まず適正な売却価格を知ることが重要です。また、信頼できる不動産屋を見つけることも重要です。
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不動産屋を選ぶ際に注意すべきポイントは何ですか?
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信頼できる不動産屋を選ぶためには、次のポイントに注意するとよいでしょう。複数の不動産屋に相談して、その受け答えや回答内容などで判断します。簡単ではないと思いますが、この記事の内容を参考にして判断してみてください。